手外科班

手外科班は、手から肘周囲までの上肢の疾患の治療、研究を行っております。具体的には、外傷(骨折や靱帯損傷、手指などの切断)、外傷後の変形・拘縮・偽関節などの機能障害から手根管症候群や肘部管症候などの絞扼性神経障害、腫瘍、スポーツ障害、リウマチによる上肢の機能障害などがその対象となります。
附属病院(本院)では、2019年4月より手外科センターが発足しました。これにより、科の垣根を越えて、形成外科とともに幅広く手外科診療を行うことができ、患者さんの利便性を図るとともに、効率的な医療資源の活用と、手外科診療の向上に努めております。
現在、整形外科での手外科専門外来は毎週水曜に1日100名以上の患者さんの診療を行っております。手外科関連の手術件数は年間約500例を数え、症例によっては積極的に外来手術センターでの日帰り手術も行っております。

臨床研究

神経鞘腫核出術後に一定の確率で神経脱落症状を生じることが知られています。その危険因子を明らかにすることで、より安全に手術ができる環境を整えるように努めております。

橈骨遠位端骨折に対する手術成績、および最近よく使用されるようになった人工骨充填についてβ-tricalcium phosphate(β-TCP)の有用性を報告し、本材は骨の有する自己修復能をうまく引き出すものであることを見出しております。

遠位橈尺関節障害に対しては、hemiresection interposition arthroplasty(HIA)、Sauve-Kapandji手術(S-K手術)の適応と問題点ならびにS-K手術における尺骨切除端のosteolysisについての検討を行っております。

深指屈筋腱付着部断裂に対して従来ではpull-out法を行っておりましたが、現在では独自のプレート固定法に変更し、良好な成績を得ております。

その他、キーンベック病に対するGranner変法手術、変形性関節症、SLAC wristに対するSteinhauser手術、母指CM関節に対するtendon suspension sling arthroplastyの臨床成績ならびにPIP関節脱臼に対する治療法の変遷、尺側中手手根関節脱臼骨折の治療成績に与える因子の検討、手外科領域における先取り鎮痛などの研究を行っております。

基礎研究

デュプュイトラン拘縮に対するコラーゲン解析を用いた生化学的検討や電子顕微鏡による組織学的検討のもと、病態解明に関する研究を行っております。

私どもが取り扱っている主な疾患や外傷

  • 肘関節・前腕・手関節ならびに手指の骨折・脱臼・捻挫・靱帯損傷 ・神経・腱や血管の断裂
  • 切断肢の再接着術
  • 野球肘・テニス肘などのスポーツ障害
  • 内反肘・外反肘などの変形の矯正 ・肘部管症候群や手根管症候群などの神経障害
  • 関節リウマチや変形性関節症による肘・手指の痛みや腫れ
  • 種々の遠位橈尺関節障害
  • キーンベック病
  • ばね指やドケルバン病などの腱鞘炎
  • ガングリオンなどの腫瘍

私どもが行っている手術の一部をエックス線写真とともにご紹介いたします。

肘関節・前腕・手関節ならびに手指の骨折・脱臼・捻挫・靱帯損傷

橈骨遠位端粉砕骨折

橈骨遠位端の粉砕骨折に対しては、術前のCTによる3方向断層撮影や、3D撮影など詳細な検査に基づき、掌側ロッキングプレートやときに追加手技を用いて安定した整復固定を施し、可能な限り早期運動療法を行っております。

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切断肢に対する再接着術

小指切断

当院では24時間体制で、切断肢に対する再接着術を行っており、良好な生着率を維持しております。このような手術は顕微鏡を用いて神経、血管などを1本ずつ縫合していきます。(マイクロサージャリー)。切断肢は切断されてから血流再開までの時間が重要ですので、早急な対応が望まれます。

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関節リウマチや変形性関節症による肘・手指の痛みや腫れ

関節リウマチに対する手関節Sauvé-Kapandji法

関節リウマチによる伸筋腱断裂の再建や、遠位橈尺関節の変形・疼痛に対し、手関節の安定性を温存させるため、Sauvé-Kapandji法という手術を中心に行っており、良好な成績を得ております。

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関節リウマチに対する人工肘関節置換術

関節破壊が進行し痛みを伴う場合や、動きの悪さにより生活に支障をきたしている場合には、損傷した肘関節の骨を部分的に削り人工肘関節と交換します。

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微小外科(マイクロサージャリー)を用いた四肢再建

脛骨骨髄炎に対する血管柄付き腓骨移植術

微小外科の進歩により小径血管の吻合も可能になり四肢欠損への修復が可能になりました。外傷、腫瘍切除後、骨髄炎、先天異常などの四肢欠損や機能障害など再建が極めて困難な症例に対してマイクロサージャリーを用いた血管柄付き腓骨移植などの組織移植術を行っています。本症例はMRSA脛骨骨髄炎に対して血管柄付き腓骨移植術を行った症例で、良好な骨癒合が得られております。

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手指の切断、骨折などの救急患者さんへ

救急の患者さんに対しては24時間体制で診療を行っておりますが、手術中などすぐに診察対応ができないことがあります。来院される前にはご面倒でも必ず救急部へ診察可能かどうかお電話で確認してください。      

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診療スタッフ

  • 前田 和洋

    講師

    前田 和洋

  • 湯川 充人

    助教

    湯川 充人

  • 永峯 佑二

    助教

    永峯 佑二

現在、整形外科での手外科専門外来は毎週水曜に1日100名以上の患者さんの診療を行っているため、大変混雑しております。初診の方は、かかりつけ医療機関に紹介状の作成とFAX予約をご依頼いただくと比較的スムーズな受診が可能となります。
なお、再診に関しましては完全予約制となっております。

附属病院(本院)専門外来

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なお、再診に関しましては予約制となっております。

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